舞台監督の仕事

タブロースタッフが各パートに別れているように、舞台監督も、上手(かみて)、下手(しもて)、ドライアイスと大きく分けると三つのパートに分かれています。それぞれどんな仕事をしているのでしょうか。見ていきましょう。おっと、その前に舞台練習前の仕事か…。

舞台練習前の仕事

 
 
テーピングする舞台監督達

舞台練習をする前から、舞台監督の仕事はたくさんあります。そのひつつにテーピングがあげられます。これは、舞台装置やキャストの立ち位置をよりわかりやすくするために、テープで印をつける作業のことです。テーピングセットと呼ばれるセットを使用します。この作業に、装置テーピング、キャストテーピング二つを合わせると、約一日費やすことになります。装置テーピングは、タブロー期間前の日曜日に通常行われます。

上手の仕事

 

 
舞台風を防ぐ『ちくわ』

舞台監督、上手は、舞台の上手側、すなわち、観客から舞台を見て、右側に当たる部分を管理、監督します。主な仕事は、装置の舞台の転換の手伝い、「ちくわ」(*1)や「キリストコード」(*2)の固定、その他、各パートの手伝いをしています。下手の人数が少なかったりした場合は臨機応変で手伝ったりもします。また、カーテンなどを開閉したりするのも、上手側の人間です。カーテンの人間が開閉しやすいように、ペンライトでカーテンを動かす紐を照らしたり、「カーテン持ち」と呼ばれる人たちが、カーテンを持ち、カーテンの開閉にあわせて、自分も移動したりします。緞帳と呼ばれる舞台の幕を揚げ降ろしするのも上手の仕事です。

下手の仕事

上手とほとんど仕事は変わりません。下手は、主に下手側、つまり、観客側から見て、舞台の左側を監督します。下手にもカーテン持ちはいます。2幕では、幕中にカーテンが移動するのですが、そのカーテンが、上手くキャストたちを隠さないように誘導するワザはまさに神業です。しかし、基本的には上手と内容は余り変わりません。

 

 

ドライアイスの仕事

ドライアイスは、上手、下手パートと仕事が大きく異なります。このパートは文字通りドライアイスにおけるエキスパートです。色々な名前がついたドライアイス煙発生装置を使って、舞台上の煙を時にはおとなしく、時には力強く生み出します。その煙の発生量は、ドライアイスの砕き方、お湯の温度、うちわの扇ぎかたで大きく違うので、経験が必要になります。煙の出す幕が終われば、上手、下手の手伝いもします。

パートが合同でやる仕事

舞台練習が終わると、上手、下手、ドライアイスの各パートチーフは、スタッフ会議に出かけてしまいますが、各パートの仕事が無くなったわけではありません。残ったパート員は合同で、テーピング直し椅子並べをしなければなりません。

 
 
テーピング直しをする舞台監督達

テーピング直しとは、先ほどした、舞台上のテーピングの中で、舞台装置などが通ったことで、擦れて、剥がれかけたものなどを再びテーピングしなおす作業です。これには、先ほど使ったテーピングセットを再び使うことになります。なお、緊急を要するときなどは、舞台練習中にテーピング直しをすることになります。

 

 

整然と並ぶ椅子

もう一つの椅子並べは大変に骨の折れる作業です。毎回、椅子をキレイに並べるだけの作業なのですが、これは、毎回(?)いちいち紐を大講堂一杯に張って、その紐にそろえて椅子を並べて…と大変な作業なんです。しかし、一昨年のある日、椅子並べの画期的な方法が発案されました。その方法は、アラホリング(*3)といい、従来の方法の三分の一の時間で、椅子並べを行うことが可能になりました。一回見に来てください(笑)


*1:
観客席から舞台に向かって吹いたり舞台から観客席に向かって吹いたりする舞台風を防ぐ為にカーテンに取り付けるもの。正式名称は『四つ割』
*3:
当時、舞台監督パート員だった荒堀くんの名前を取ってアラホリングと名づけられた。
*2:
生誕直後のキリストは、タブローにおいては、光る電球で表現される。その電球を光らすために、外部電源から電球までに伸ばされたコードをキリストコードという。